① デンマークのウクライナへの支援策について
ロシアがウクライナに侵攻し、破壊行為を始めてから、2月24日で1年が経ち、報道によりますと世界各地でロシアのウクライナ侵攻に対し抗議集会が持たれたようです。デンマークでは、ロシア大使館前でのデモンストレーション、王子夫妻、首相他要人が参列しての平和と終結を望む教会での礼拝がありました。
西洋諸国のウクライナへ軍事支援する国々の数は減っておらず、アメリカ、カナダ、英国、フランス、オランダ、ポーランドなど国民の過半数が、ロシアがウクライナから撤退するまで軍事物資の支援を続けるべきという世論を背景に、ウクライナへの軍事を支援しています。
デンマークの世論はロシアを敵とし、ロシアを罰すべきという意見が圧倒的に多く、そのことで政府与野党は、一貫してロシアのウクライナ侵攻直後からウクライナを支援しています。デンマークのウクライナ支援策は独自の支援策とNATOとの共同支援、あるいは世界銀行を経由しての支援策などになっていますが、
支援金の総額は2023年1月31日付けで63億クローネ(約1,200億円)に達しています*。内訳は、軍事支援49億クローネ、人道急遽支援4億8800万クローネ、金融支援約2億9800万クローネ、復興支援約1億9100万クローネ、保健支援約1億クローネなどとなっています。
*デンマークの人口一人あたりに換算しますと、1,067クローネとなり、円換算約21,400円となります。参考までに、日本の支援総額は約70憶ドルと言われており、一人当たりに換算した支援額は約7,560円となります。デンマークの支援額が大きさが解ると思います。
この先どれだけデンマークの支援が続くか解りませんが、フレデリックセン首相は、ロシアのウクライナへの破壊行為が終了するまで、デンマークは支援を続けると語っています。その背景にはデンマークの赤十字社がウクライナ支援を呼びかけ、そのことで集まった募金額は6億9300万クローネに上り、デンマークの人口数は約590万人からして、一人平均の募金額は約117クローネ(約2350円)となったこと、国民のウクライナ支援は継続していることがあります。また、デンマークの年金基金はロシアのウクライナ侵攻までは軍事産業への投資は避けていましたが、弾薬、兵器の在庫が底をついてきていることと、ウクライナの国防を支援するデンマーク人の意思も踏まえてか軍事産業への投資に踏み切ったと語られています。デンマークの人たちの受けた(受けている)教育の成果かもしれませんが、ロシアという大国(強い者)が、ウクライナという小国(弱い者)を武力で攻め入るとういうことは、デンマーク人の正義感では絶対許せない行為と受け止めていることが、ウクライナ支援策に繋がっていると思っています。
② ロシアのウクライナ侵攻による国を出た人達について
ロシアのウクライナ侵攻によって国を出た人達(約420万人とも言われている)の中でデンマーク特別法(HP原稿20220302参照のこと)の適用を受け居住している人達は、約40,000人と言われています。最近の報道*によりますと, デンマークに居住するウクライナ人の中にはロシアの侵攻が終結した後においても、デンマークに住み続けたいという人達の割合が増えています。*Kristeligt Dagblad tirsdag 21. feb. 2023.
同報道によりますと、デンマークに避難して来た18歳以上の人達7,500人のインタビューの結果によると、ロシアの侵攻が終結した後においても、デンマークに住み続けたいという言う人達の割合は37%で、特に18歳~29歳の年齢層では44%で高く、60歳以上では僅か23%と報じられています。但し、ウクライナ人に適用されている特別法の期限は2024年3月17日で切れるため、デンマークに居住したくても、居住は出来なく、継続して住む場合は難民として一般の手続きを踏むため、デンマークに居住したくても全ての人達が居住できることはできないと関係者は見ています。一方、デンマークは労働人口不足の状態が続いており、この中で特に看護師、介護スタッフなどウクライナ人の労働力はデンマークにとって、大きな魅力になっています。
③ デンマークの自然エネルギー発電量の記録について
2022年風のがっこう便りにおいて、デンマークの風力発電量について記述しました。以下その抜粋です。
デンマークのエネルギー情報誌(Energy Supply 2023年2月21日付け)によると、今年(2023年)に入り、2月20日太陽光発電を加えた風力発電量は1億4160kWh.を記録したと報じていました。但し2月20日は殆ど太陽が照っていなかったこともあり、同発電量は風力発電量と見做して良いと思っています。同誌は一日当たりの太陽光と風力発電による発電量が1億3500万kWhに達した日は2022年11月から2023年2月20日までの間で5日在り、内訳は11月2回、今年(2023年)の1月2回、そして2月20日加えるとこの間5日(5回)となっています。ということは上記「風のがっこう便り」で触れた通り、デンマーク人は自然エネルギー源を利用し、化石燃料を節約しそれによって二酸化炭素を削減していることが解ります。一方、化石燃料の節約は貿易収支への貢献に繋がっているということが言えます。デンマークでは風力・太陽光以外にバイオガス(主に家畜の糞尿をベースにしたメタンガス利用)及びバイオマス(主に可燃廃棄物を利用) を加えますと約8割の電力が再生可能エネルギー源によって供給されています。デンマークの食糧自給策と共に、自国内でエネルギー供給に努め、恵まれた暮らしをしていることも、ウクライナ支援を可能にしていると思っています。
デンマークウアンホイにて
2023年2月25日
ケンジ ステファン スズキ